山崎 正
神戸大学理学部数学科
構造数理講座 教授
整数論教育研究分野
E-mail: Tel: 078-803-5613

研究テーマ:

保型関数に関連する整数論

主に多変数の保型関数を研究している. 保型形式の各種のフーリエ展開を調べること, またそれを用いて保型形式自身や保型形式に付随する L 関数の解析的・整数論的性質を解明することなどが研究の目的である.

具体的な研究テーマは次の通り.

1. ヤコビ形式に関する研究

保型形式のフーリエ・ヤコビ展開の係数として現れるヤコビ形式を調ること. 通常の保型形式に対して成立することが, ヤコビ形式に対してもほぼ成立することがわかってきた. これに関してアイゼンシュタイン級数のフーリエ係数の間の関係をヘッケ環を用いて記述した. この関係式と, 保型形式の持ち上げがどのような関係にあるかを調べること.

2. 微分作用素の保型形式への応用

保型形式の微分はある種の保型性を持つことが知られている. 特別な形の微分作用素を考えることにより, 新しい保型形式を構成することや, ある種の保型形式のフーリエ係数を計算することができた. 同様の微分作用素が, ヤコビ形式に対してもよい挙動を示すことがわかったので, これらに対しても数論的応用を調べること.

3. 局所体上の代数群の表現論との関連

保型形式の各種の展開に現れる特殊関数に関する問題は, 通常局所体上の表現論の問題として定式化される. そこに現れる p 進代数群の表現を幾何的に記述すること.