[ << ] [ < ] [] [ > ] [ >> ]         [冒頭] [目次] [見出し] [ ? ]

8.6 有理式を係数とするグレブナ基底計算

gr() などのトップレベル函数は, いずれも, 入力多項式リストに 現れる変数 (不定元) と, 変数リストに現れる変数を比較して, 変数リストに ない変数が入力多項式に現れている場合には, 自動的に, その変数を, 係数 体の元として扱う.

[64] gr([a*x+b*y-c,d*x+e*y-f],[x,y],2);
[(-e*a+d*b)*x-f*b+e*c,(-e*a+d*b)*y+f*a-d*c]

この例では, a, b, c, d が係数体の元として 扱われる. すなわち, 有理函数体 F = Q(a,b,c,d) 上の 2 変数多項式環 F[x,y] におけるグレブナ基底を求めることになる. 注意すべきことは, 係数が体として扱われていることである. すなわち, 係数の間に多項式 としての共通因子があった場合には, 結果からその因子は除かれている ため, 有理数体上の多項式環上の問題として考えた場合の結果とは一般 には異なる. また, 主として計算効率上の問題のため, 分散表現多項式 の係数として実際に許されるのは多項式までである. すなわち, 分母を 持つ有理式は分散表現多項式の係数としては許されない.


[ << ] [ < ] [] [ > ] [ >> ]

この文書は12月 21, 2024texi2html 5.0を用いて生成されました。