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Revision 1.5, Sat Mar 7 05:24:23 2015 UTC (9 years, 2 months ago) by ohara
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$OpenXM: OpenXM/doc/HOWTO/asir2000-on-Windows-x64.sjis,v 1.5 2015/03/07 05:24:23 ohara Exp $

Risa/Asir for Windows のビルド方法 (x64 対応)

0. 必要な物

・Windows 7 x64
・Visual Studio 2010 または Visual Studio 2013
・Cygwin (bash, gzip, tar, patch, coreutils, perl が必要です。)
  ソースの展開および、texi2html に用いる。

また、インストーラ(Windows installer 形式ファイル)を作成するには、
・WiX toolset ver.3.7 (http://wixtoolset.org)
をインストールし、${WIX}/bin/ に PATH を通すこと。

1. ソースの取得

CVS クライアント(例えば、TortoiseCVS, http://www.tortoisecvs.org/)を用いて、
OpenXM および OpenXM_contrib2 を checkout する.
また、OpenXM_dist/ に gc-7.2b.tar.gz, pari-2.0.17.beta.tgz を置く。

2. ビルド (64bit 版)

「Visual Studio x64 Win64 コマンド プロンプト (2010)」から
次のように入力する.

C> cd OpenXM_contrib2\windows
C> makepkg.bat
C> nmake msi

makepkg で、asir 以下に全バイナリ・ヘルプが生成される。
これを zip でアーカイブしたものが、asir_win64_XXXX.zip である。
XXXX には日付が入る。例えば、2013年11月23日ならば、2013.11.23 となる。

また、nmake msi と打つことによって、Windows installer 形式
asir_win64_XXXX.msi を生成する。

最後に、次のように入力すると、中間生成ファイル(ヘルプを除く)をすべて消去する。

C> nmake distclean

余計なファイルを消去したので、そのまま、32bit 版の作成に入ることができる。

3. ビルド (32bit 版)

「Visual Studio コマンド プロンプト (2010)」から
次のように入力する.

C> cd OpenXM_contrib2\windows
C> makepkg.bat
C> nmake msi

asir_win32_XXXX.zip および、asir_win32_XXXX.msi が作成される。

付録 A. インストーラのアップデート方法

*** 事前に WiX tutorial などを読んでおくこと! ***

OpenXM_contrib2/windows/ 以下にある *.wxs がインストーラのソースである。インストーラを
ビルドするには、Makefile に記載されている情報が必要である。Makefile に書かれている、
UPGRADEID=B7A582F5-0484-4030-9D38-BFAE00707F0D
の行は、「決して変更してはいけない」。変更するとアップグレードできなくなる。

Risa/Asir に改良が加えられたとき、インストーラもアップグレードしなければならない。
まず、Makefile に
PRODUCTVER=1.0.12
のような行があるので、このバージョンをあげる(例えば 1.0.13 にする)。次に、Makefile に
PRODUCTID=...
という行(2か所ある)がある。これは各バージョンに対応しているので、この右辺を必ず変更する
こと。右辺は GUIDまたはUUID と呼ばれる 16 バイトの整数値であり、
guidgen.exe (Microsoft で配布) や FreeBSD では、uuidgen コマンドなどで生成できる。

インストールするファイルが増えたり減ったりしたときには、*.wxs も変更しなければならない。
asir/ および asir/bin/ 以下のファイルは asir.wxs で、それ以外のディレクトリの下にある
ファイルは _*.wxs で管理されている。Makefile のコメント中に _*.wxs の自動生成に用いる
ルールが記載されているが、これを用いて生成したファイルで _*.wxs を上書きしないこと。
インストールされる各ファイルに対して、それぞれ GUID が与えられているが、一度決められた
この GUID を変更すべきではないからである。(自動生成すると変わってしまう)
基本的に各 Component 要素が、一つのファイルに対応しているので、WiXedit などで追加して
いけばよい。

付録 B. Visual Studio 2013 対応

Visual Studio 2013 からは、古い機能がいくつか既定ではサポートされなくなった。Risa/Asir の
ビルドに必要な機能の導入方法を説明する。

(1) MBCS用 MFC の導入。
    http://go.microsoft.com/?linkid=9832071 から必要なライブラリをダウンロードすること。
    MSDNブログの参考記事
    http://blogs.msdn.com/b/vcblog/archive/2013/07/08/mfc-support-for-mbcs-deprecated-in-visual-studio-2013.aspx
  根本的には、asirgui を Unicode 対応に改造するか、MFC を捨てるべきであろう。

(2) ntwin32.mak および win32.mak
    これらは gc のビルドに必要であるが、VS2013 からサポートされなくなった。
    http://www.microsoft.com/en-us/download/details.aspx?id=8279 から
    Microsoft Windows SDK for Windows 7 and .NET Framework 4 をインストールすること。
    C:\Program Files (x86)\Microsoft SDKs\Windows\v7.1A\Include
    にインストールされることを期待している。

付録 C. PARI に対する注意

Risa/Asir は、ライセンスの都合上で古いバージョンの PARI をリンクしている。
古いバージョンの PARI では、Windows のような LLP64 モデルの 64bit システムは
考慮されていない。具体的には、ポインタ(64bit)と long 型(32bit)の変換が行われ
ている。最近の Windows には、ASLR(Address Space Layout Randomization)機構が
導入されており、32bit を超えるアドレス範囲にメモリが確保される可能性がある。
これを回避するには、VS2013 では、link.exe のオプションに -dynamicbase:no を
追加してバイナリを作成する必要がある。