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分散表現多項式とは, 多項式の内部形式の一つである. 通常の多項式
(type
が 2) は, 再帰表現と呼ばれる形式で表現されている. すなわ
ち, 特定の変数を主変数とする 1 変数多項式で, その他の変数は, その 1 変
数多項式の係数に, 主変数を含まない多項式として現れる. この係数が, また,
ある変数を主変数とする多項式となっていることから再帰表現と呼ばれる.
(x+y+z)^2 = 1 x^2 + (2 y + (2 z)) x + ((2 z) y + (1 z^2 ))
これに対し, 多項式を, 変数の冪積と係数の積の和として表現したものを分散 表現と呼ぶ.
(x+y+z)^2 = 1 x^2 + 2 xy + 2 xz + 1 y^2 + 2 yz +1 z^2$
グレブナ基底計算においては, 単項式に注目して操作を行うため多項式が分散表現 されている方がより効率のよい演算が可能になる. このため, 分散表現多項式が, 識別子 9 の型として Asir のトップレベルから利用可能となっている. ここで, 後の説明のために, いくつかの言葉を定義しておく.
変数の冪積. すなわち, 係数 1 の単項式のこと. Asir においては,
<<0,1,2,3,4>>
という形で表示され, また, この形で入力可能である. この例は, 5 変数の項
を示す. 各変数を a
, b
, c
, d
, e
とすると
この項は b*c^2*d^3*e^4
を表す.
分散表現多項式における項は, 次の性質を満たす全順序により整列される.
t
に対し t
> 1
t
, s
, u
を項とする時, t
> s
ならば tu
> su
この性質を満たす全順序を項順序と呼ぶ. この順序は変数順序 (変数のリスト) と項順序型 (数, リストまたは行列) により指定される.
項と係数の積.
2*<<0,1,2,3,4>>
という形で表示され, また, この形で入力可能である.
分散表現多項式における各単項式は, 項順序により整列される. この時順 序最大の単項式を頭単項式, それに現れる項, 係数をそれぞれ頭項, 頭係数 と呼ぶ.
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この文書は12月 21, 2024にtexi2html 5.0を用いて生成されました。